僕がラップミュージックに出会ったのは小学校6年生の時だ。
当時よく行っていた地元のレンタルCDショップで、何を間違えたのか洋楽セクションに迷い込んでしまい、そこで何も分からずたまたま手に取ったCD(The Rootsの“Things Fall Apart”)を借りて家で聞いた時の衝撃は今でも覚えている。
このシリーズでは、約20年間ラップミュージックを聞き続けた僕が自分の大好きな曲の中から、「これは面白い!」と思ったフレーズや、英語の勉強になると思った歌詞を厳選してお届けし、一人でも多くの人にラップミュージックの魅力を知ってもらうと共に、音楽を聞きながら英語を勉強する楽しさを感じてもらえたらと思う。
それじゃ、早速今日のエントリーを見ていこう―――。
ラップ名曲パンチライン
“But you know like I know, ain’t no place like home. Gone for a second best believe that I’m back home”
-Twinz, “Eastside LB” (1995)
パンチライン徹底解説
- “ain’t no A like B”という表現
- “best believe”という表現
今日のパンチラインは、カリフォルニア州ロサンゼルスの南に位置するロングビーチ市出身のデュオ、Twinzのファーストアルバム“Conversation”の“Eastside LB”という曲からの一節です。
“LB”というのはLong Beachの頭文字を取ったものですが、なんと言ってもこの曲の最大の魅力は南カリフォルニアの“laid back”(レイドバック=リラックス)した雰囲気を醸し出しまくっているビートです。
そこで今日はロサンゼルスをはじめとする南カリフォルニアの都市を訪れたことがある人なら確実に、行ったことがない人でもきっと「これがカリフォルニアの雰囲気か~」と気持ちよくなってしまうような最高に爽快な西海岸サウンドに乗りつつ、上のパンチラインを、
- “But you know like I know, ain’t no place like home”
- “Gone for a second best believe that I’m back home”
の2つのパートに分け、それぞれのパートで日常会話で使えそうなゆる~い表現を紹介していきたいと思います。
それでは早速いってみましょう~。
“But you know like I know, ain’t no place like home”
まず最初の部分、“but you know like I know”は直訳すると「でもあなたは知っている、私が知っているように」という感じになりますね。
そして“ain’t no place like home”ですが、これは先に訳を言ってしまうと「ホームタウンのような場所は他にはない」という意味になります。
“ain’t”はこの英語ラップ解説シリーズでも度々登場しますが、“am not, aren’t, isn’t”などのbe動詞や、“haven’t, hasn’t”など、「あらゆる否定形」の代わりとして使えるスラングですね。
また“home”は一般的には「家」ですが、ここでは「ホームグラウンド」や「ホームタウン」などの意味で使われています。
今日の1つ目のポイントはこの“ain’t no A like B”という表現で、
<“ain’t no A like B”という表現>
- AとBには名詞が入り、「BのようなAなんて(どこにも)ない」というお決まりの強調表現のフレーズ
になります。
これは日常会話で結構使えるフレーズで、例えば「こんな最高な一日はない」と言いたい時に、
<例>
“ain’t no day like today”
(直訳:今日のような日はない)
と表現することで直接的に「最高」と言わなくても文脈とニュアンスで気持ちを伝えることができます。
ということでこの部分は「でもあなたは知っている、私が知っているようにホームタウンのような場所は他にはない」という感じにしておきましょう。
“Gone for a second best believe that I’m back home”
次に“gone for a second”ですが、これは「ちょっといなくなる」でいいでしょう。
“for a second”や“for a minute”は文字通り「1秒」や「1分」と訳すのではなく、日常会話ではたいてい「ちょっと」という感覚で使われますね。
そして“best believe”は今日のもう1つのポイントで、
<“best believe”という表現>
- 口語表現“you better believe”と同じ意味で「賭けてもいいよ」(直訳:信じた方がいいよ)という意味のフレーズ
- 会話では頭に“you”を付けずに“best believe”の形で使われることが多い(”you”を付けてもOK)
となります。
そしてここではその直後に「接続詞のthat」で“I’m back home”「またホームに帰ってくる」が続いているので、ここ全体で、「ちょっといなくなってもまたホームに戻ってくる、賭けてもいいよ」という風になるんです。
まとめ
ということでここまでをまとめてみると、
- 「でもあなたは知っている、私が知っているようにホームタウンのような場所は他にはない」
- 「ちょっといなくなってもまたホームに戻ってくる、賭けてもいいよ」
という感じになるので、少しニュアンスをいじって、
“But you know like I know, ain’t no place like home. Gone for a second best believe that I’m back home”
「地元(ロングビーチ)以上の場所はないって知ってるだろ、ちょっと離れるだけですぐ帰って来たくなる」
という感じにしてみました。
本当に最高に心地よいサウンドなんですよ。
曲はこちらで聞けるのでよかったらチェックしてみてください(該当部分は1:00辺りからです)
ちなみに、この“Conversation”というアルバムは、Twinzの唯一のアルバムで、この“Eastside LB”の他にも最高に爽快な西海岸サウンドがぎっしり詰まっている、個人的にはインディーウェッサイラップの傑作の1つですね。
夏になると無性に聞きたくなる、海岸沿いのドライブや仲間とのバーベキューなどに最適の極上レイドバックチューンです笑
これを機にラップに興味を持った人や、僕のように「洋楽から日常で使える表現を学びたい!」と思った人は是非チェックしてみてくださいね。
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はい。ということで、今回の「ラップ名曲パンチラインに学ぶ英語特集」はいかがだったでしょうか?これからも素晴らしきラップミュージックの魅力をお届けすると共に、あなたの英語学習の助けになれれば光栄です。
前のエピソードや次のエピソードも気になる!という方はそれぞれこちらからどうぞ。
<前のエピソード>
ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.18「Big K.R.I.T.編」
<次のエピソード>
ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.20「Mobb Deep編」
(また、第1回から見てみたい!という方がいましたらこちらからチェックしてみてください。
それではまた!