英語の発音を本気で改善したいです。どこから始めたらいいですか?
ー聖徳太子 41歳
どうも。@bigtreeです。
(僕が誰にも知られず密かにペラペラになった独学勉強法はこちら↓チラッ)
発音に関する日本人の永遠の課題、それは『日本人特有のアクセントを無くしたい』これに尽きるでしょう。
僕はこれまで何人もの人に相談され、発音改善の指導をしてきましたが1つ確実に言えることは、
『一発で伝わる綺麗な発音』を身につけるためには、発音の基礎をイチから学ぶことが必要
これだけは絶対に譲れません。
ええ、僕たちがこれまで学校教育を通してなんとなく耳で覚えてきた「インチキ発音」ではなく、きちんとした発音のルールに則った基礎となる音を1つひとつ覚えていかないと絶対に前には進めません。
そしてその際に必ず「じゃあどこから手をつければいいの?」となるのですが、僕はまず英語の母音の発音を身につけるところから始めるのが一番だと思っています。
日本語でも「あいうえお」という5つの母音が全ての音の基礎となっているように、英語でも同じように全ての音の根幹となる母音が存在し、それらを覚えることは発音をマスターするうえでの絶対条件なんですね。
ただ問題は、英語の母音は日本語の母音と比べて数がめちゃくちゃ多いということなんですよ。
その数については実は諸説あり、人によっては「20個以上ある」と言う人もいます。
そうなんですよ。日本語の5個と比べるとその数は圧倒的ですが、でもどうしてもここだけは避けては通れないので、どうにかしてきちんと身につけなきゃいけないんですよね。
そこで僕はいろいろと悩んだ挙句、『日本人にとって覚えやすい究極の母音の発音習得方法』を編み出し、この記事を書くことにしました。
この記事ではアメリカ英語の母音の発音について、「色」を使った覚え方とその練習方法を解説しています。
(アメリカ英語の母音と子音の発音をよりテクニカルな観点から解説しているこちらの記事もぜひチェックしてみてください)
関連記事
日本人の僕が完璧な英語母音の発音習得方法を教えます【完全版】ネイティブの子音の発音の極め方
あなたがもし「典型的なジャパニーズイングリッシュの発音から抜け出して、ネイティブの綺麗な発音になりたい」と思っているなら、ぜひ最後まで一緒について来てください。
それでは行ってみましょう。
結局英語の母音は何種類なの?
まず母音を覚える上で確認しておきたいのが「結局何個覚えればいいの?」というところだと思います。
立ち向かう相手の全体像が見えなくては攻め方が見えてこないですからね。
先ほど上で「母音の数については諸説ある」と言いましたが、それを聞いて「はぁ?」と思いませんでしたか?
「なんでそもそも言語の発音の基礎となる『母音の数』が決まってないんだよ」・・・そう思う人がいてもおかしくはありません。
日本語では母音の数は5個とちゃんと決まっているのに、英語では18個という人がいたり、20個という人もいたり、いやいや25個あるという人もいます。
これはなぜなのか。
これから取り組もうとしている課題のゴールが曖昧ではそもそも初めからやる気が削がれてしまいますよね。
でも英語の母音の数がきちんと定まっていない理由にはちゃんと理由があるんです。
あなたはおそらくイギリス英語とアメリカ英語という言葉を聞いたことがあるでしょう。そしてそれらの発音がしばしば異なるというのも知っているはずです。
簡単に言えば、このように一口に「英語」といっても世界中の別の地域によって使われる単語や発音が微妙に異なるため、母音の数にもバラつきが出てくるんですね。
もっと言ってしまうと、世界に存在する英語はイギリス英語とアメリカ英語だけではありません。
これは誰かが公に定めたものではありませんが、一般的にその発音や語彙がその他地域と著しく異なるものとして、
- オーストラリア英語
- インド英語
- アイルランド英語
- シンガポール英語
などが挙げられます。
場合によってはその独特な発音のせいで欧米諸国から「ジャパングリッシュ」と揶揄されている私たち日本人が話す英語も「日本英語」としてカテゴライズされてもいいのかもしれません。
あとは国別ではなく、例えばアメリカ国内だけで見ても「西海岸」と「東海岸」では発音が微妙に異なるし、もともとは奴隷としてアメリカに連れてこられた黒人たちの血と共に受け継がれる「黒人英語」というのもあったりします。
なので同じ英語でも地域や人種による違いによって、それら全てを含めるのか、ある特定のタイプの英語のみを指すのかによりその母音の数が異なってくるというわけなんですね。
じゃああなたはどの英語の発音を学べばいいのか?
現在の日本の公立校では基本的に「アメリカ英語」が教えられています。
そして世界の大半の地域でも、このアメリカ英語がいわゆる「標準英語」として学校で教えられています(実際にどこかの国際機関がアメリカ英語を「標準」として定めているわけではありません)
僕自身も中学校から習い始めた英語はアメリカ英語でしたし、アメリカへの留学を経て、独学でその発音に磨きをかけてこうして発音を教える立場に立たせてもらっているので、ここではアメリカ英語の母音に焦点を当てて解説します。
そしてアメリカ英語の母音の数なんですが、僕は16個の母音の発音を覚えればネイティブと同じ綺麗な発音を身につけられると考えています。
この記事ではその16個の母音について、日本人に覚えやすく、また練習しやすいようそれぞれの母音を色を表す単語で解説しています。
この記事でアメリカ英語の母音の発音を覚え、繰り返し練習することであなたの発音は確実に一発で伝わる完璧な発音になります。
ということで少し前置きが長くなりましたが、ここからはいよいよアメリカ英語の母音の発音1つひとつを確認していこうと思います。
色で覚えるアメリカ母音16個の発音
アメリカ英語の16個の母音について、この記事では16個を全てまとめて一気に覚えるのではなく、
- 短母音 / short vowels(7個)
- 長母音 / long vowels(4個)
- 二重母音 / diphthongs(5個)
というグループに分けて解説していきます。
これらの種類の違いの詳細については上で紹介した記事で確認していただきたいと思いますが、簡単に言うと、
- 短母音はその名の通り短い音の母音
- 長母音は短母音に比べて少し音の長い母音(/ː/の記号がつく)
- 二重母音は短母音と長母音の記号が2つ合体した母音
となっています。
ここではそれぞれの母音について「色を表す単語」を使って紹介しつつ、日本語の「あいうえお」を発音する時の口の動きと比較してその発音の仕方を解説しています。
色と日本語の「あいうえお」を使って説明する理由としては、
- 色を使うことで視覚的にまとめやすい(何が苦手で何が得意か区別しやすい)
- 大半の色の発音はもともと知っているので正しい発音に寄せやすい
- 「あいうえお」をベースにすることで口の動かし方が想像しやすい
ということが挙げられます。
それでは早速見ていきましょう。
短母音 (short vowels)
ではまずは短母音の7個からいってみましょう。
/ɪ/ Pink ●●●
1つ目は/ɪ/という記号で、これはpink /pɪŋk/「ピンク」に入っている音ですね。
辞書によっては/ɪ/や/I/と表記されていますが同じものです。
発音は日本語の「い」に近いですが、実際は「い」と比較して若干「え」に寄った音になります。
音の寄せ方としては、「い、え、い、え、い、え」と繰り返し言いながら、ちょうど「い」と「え」の中間くらいの口の開きで口を固定し、その状態で「い」と言うと綺麗に聞こえます。
実際の僕の発音はこちらから確認してみてください。
/e/ Red ●●●
次に/e/を見てみましょう。
こちらはred /red/「赤」の音ですね。
この音は日本語の「え」とほぼ一緒なので、そのまま「え」でいいと思います。
日本人の私たちにとってはラッキーな音ですね。
音声はこちらからどうぞ。
/æ/ Black ●●●
次の/æ/はどうでしょう。
こちらはblack /blæk/「黒」の音ですね。
日本語の「あ」と「え」の両方に近い音ではありますが、実際にはそのどちらでもありません。
口は「あ」くらい開いた状態で、「あ」と「え」の中間くらいの曖昧な音を出すといい感じに聞こえます。
音声はこちらからどうぞ。
/ʌ/ Mustard ●●●
次の/ʌ/の発音はmustard /mʌstɚd/「マスタード」の「マ」の部分の音ですね。
日本語の「あ」に似ていますが、「あ」と比べ口を少し閉じて短く勢いよく、ほんの若干「う」に寄った「あ」で発音すると綺麗に聞こえます。
音声はこちらからどうぞ。
/ɑ/ Chocolate ●●●
次の/ɑ/ですが、これが実はちょっと厄介です。
chocolate /tʃɑklət/「チョコレート」という色の最初の音ですが、まずその表記の仕方がいくつかあります。
辞書によって/a/や/ɒ/と違う記号が使われているものもあるんですね。(/ɒ/はイギリス英語の発音での表記)
「あ」と「お」に近い音ではあるんですが、実はこの/ɑ/の発音は人によって(地域や人種などによって)発音に結構バラつきがあるんですよ。
基本的には「あ」よりも大きく口を開けて舌を少し引っ込めた状態で「あ」と言うと綺麗に発音できるんですが、人によってはもうちょっと「お」に近い音で発音する人もいます。
この発音の違いについて詳しく知りたい人は母音の発音についてもっと技術的に解説している下の記事を見ていただくといいと思いますが、「確実に伝わる綺麗なアメリカ英語の発音」を身につけたいのであれば、/ɑ/の発音は上で言ったように「あ」よりも大きく口を開けて舌を少し引っ込めた状態で「あ」と言う、でいいと思います。
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音声はこちらからどうぞ。
/ʊ/ Rosewood ●●●
次は/ʊ/なんですけど、これに関してはすみません、あんまりパッとした色がなかったのでrosewood /roʊzwʊd/「ローズウッド」という色でいきましょう。
ここではローズウッドの後半の「ウ」の部分の音ですね。
前半にも/oʊ/という発音で/ʊ/が入っていますが、これは後から説明する二重母音の1つなのでそちらで詳しく解説します。
/ʊ/の発音は日本語の「う」とかなり近い音ですが、「う」よりも若干口を開くと綺麗に聞こえます。
自然に「う、う、う、う」と言いながら口を固定してください。そしてそこから若干ですが口を開いた状態でまた「う、う、う、う」と言ってみてください。
そうです、その音です。それが/ʊ/の発音になります。
音声はこちらからどうぞ。
/ə/ Magenta ●●●
そして短母音の最後は/ə/ですが、これはmagenta /mədʒentə/「マゼンタ」という色でいきましょう。
カメラのホワイトバランスの調整とかで聞く色ですね。
カタカナで書くとマゼンタですが、実際の英語の発音は「マジェンタ」なので注意しましょう。
そして/ə/の発音はマジェンタの最初の「マ」と最後の「タ」の部分なんですが、この/ə/は「シュワ」(schwa)といって、別名「あいまい音」と呼ばれる記号です。
このあいまい音の/ə/は「前後の母音の音によってこの/ə/自体の発音も左右されてしまう」という特徴を持っています。
基本的には口に力を入れずに軽く開いた状態で弱く漏れるような感じで「ə, ə, ə, ə, ə……」と発音するんですが、これが前後の音の関係によっては「あ」とも「い」とも「う」とも「え」とも「お」とも聞こえる場合があるんですね。
それが「あいまい音」と呼ばれる所以です。
また/ə/は先ほど「マスタード」で出てきた/ʌ/と非常に音が似ています。
2つの音の決定的な違いは何かというと、それは発声の仕方にあります。
/ʌ/は上で「短く勢いよく」発声すると説明しました。それはこの音には通常アクセントが来るからです。
なので/ʌ/は口に力を入れてしっかり固定して「ʌ, ʌ, ʌ, ʌ, ʌ…」と発声します。
一方で/ə/はと言うと、/ə/には基本的にアクセントが来ることがないので「口の力を抜いて弱く」発声します。
この違いについてもきちんと理解しておきましょう。
さらに、/ə/はその後に”r”の音が来るとシュワにちょっと毛が生えたような形の/ɚ/と表記されることもあります。
これは通常の/ə/「シュワ」に対して/ɚ/「”r”がかったシュワ」という言い方をするんですが、これについては後ほど長母音のところで詳しく説明します。
音声はこちらからどうぞ。
ここまでが英語の短母音の発音ですね。
短母音7個をまとめるとこんな感じになります。
- /ɪ/ pink /pɪŋk/
- /e/ red /red/
- /æ/ black /blæk/
- /ʌ/ mustard /mʌstɚd/
- /ɑ/ chocolate /tʃɑklət/
- /ʊ/ rosewood /roʊzwʊd/
- /ə/ magenta /mədʒentə/
長母音 (long vowels)
続いて長母音の4個を見ていきます。長母音は短母音に比べて少しだけ音の長い(/ː/がつく)母音でしたね。
/iː/ Green ●●●
まず1つ目の/iː/はgreen /ɡriːn/「緑」の音です。
これに関しては日本語の「い」とほぼ一緒の音なので、素直に「い」と発音すればいいでしょう。
これまた日本人にとってはラッキーなやつですね。
音声はこちらからどうぞ。
/ɝː/ Purple ●●●
次の/ɝː/はpurple /pɝːpəl/「紫」の最初の音ですね。
この/ɝː/は辞書によっては/ɚː/という記号で表記している場合もあるので注意しましょう。
そして/ɚː/はどこかで見覚えがありませんか?
そうです。さっき短母音の/ə/(シュワ)のところでちょっと出てきましたね。
/ə/の後に”r”が来ると「”r”がかった音」になってシュワにちょっと毛の生えたみたいな/ɚ/という記号になる、というやつです。
それに「伸ばし記号(ː)」がついたのが長母音の/ɚː/です。
この/ɚː/(もしくは/ɝː/)は、/ə/の時と同様にあいまいな音を出し、同時に舌を微妙に反り返らせて、”r”特有の「少しこもった音」を出しますが、その際に舌は決して奥までグルッと巻き上げず、あくまで少し持ち上げる(半分くらい)イメージで発音するのがポイントです。
言葉で説明するのは少し難しい音ですのでぜひ音声を確認してみてください。
/ɔː/ Orange ●●●
次の/ɔː/の発音はorange /ɔːrɪndʒ/「オレンジ」の「オ」の部分です。
日本語の「お」に似ていますが、「お」よりもさらに大きく口を下に開いて発声する感じです。
発音自体はわりと簡単なんですが、1つ問題があります。
この/ɔː/と非常に近い音に/ɑː/というのがあります。
/ɑː/は短母音の/ɑ/に”ː”がついた長母音(音としては/ɑ/と一緒なので説明割愛)なんですが、実はこの/ɔː/と/ɑː/の発音がしばしば混同されることがあるんですよ。(専門用語で”cot-caught” mergerと言う)
この現象を知らないと/ɔː/の音を持つ単語の聞き取りには苦労するかもしれないので、ワンランク上を目指したい人は母音の発音をさらに徹底的に解説したこちらの記事をチェックしてください。
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/ɔː/の音声はこちらからどうぞ。
/uː/ Blue ●●●
次は長母音最後の母音/uː/です。blue /bluː/「青」の音ですね。
/uː/の発音はほぼ日本語の「う」ですが、「う」と比べて気持ち口をすぼめて発音すると綺麗に聞こえます。
音声はこちらからどうぞ。
以上、長母音4個をまとめるとこんな感じです。
- /iː/ green /ɡriːn/
- /ɝː/ purple /pɝːpəl/
- /ɔː/ orange /ɔːrɪndʒ/
- /uː/ blue /bluː/
二重母音 (diphthongs)
母音の3つのカテゴリーの最後は二重母音(diphthong)と言われるものです。
聞き慣れない単語だと思うので「まーた難しそうな…」と思うかもしれませんが、決して構える必要はありません。
二重母音は基本的にはこれまで見てきた短母音と長母音の発音記号を2つ組み合わせたものなので、ただそれを素直に繋げて発音すればいいだけです。
二重母音は全部で5つあるので、最後の力を振り絞って一気に見ていきましょう。
/eɪ/ Gray ●●●
まず1つ目の/eɪ/の発音は短母音の/e/と同じく短母音の/ɪ/が組み合わさったもので、gray /ɡreɪ/「グレー」の音です。
/e/は「え」と同じ音でしたね。
また/ɪ/は「え」に少し寄った「い」なので、それらを滑らかに続けて発音したのがこの/eɪ/です。
ここで注意しなくてはいけないのは、grayはカタカナ表記だとグレーですが、実際の英語の発音は「グレィ」になります。
上で見た通り、/ɪ/の発音は「ー(伸ばし棒)」ではなくあくまでも『「え」に少し寄った「い」』ですからその理由も納得ですね。
このように/eɪ/の発音は日本語のカタカナ表記では「エー」と伸ばし表記になることが多いですが、実際の発音は「エィ」になるのでカタカナに騙されないようにすることが重要です。
音声はこちらからどうぞ。
/aɪ/ White●●●
次の/aɪ/(辞書によっては/ɑɪ/の場合も)は短母音の/a(ɑ)/と短母音の/ɪ/が合体したものです。
色はwhite /waɪt/「白」でいきましょう。
短母音の/ɑ/の発音は『「あ」よりも大きく口を開けて舌を少し引っ込めた状態で「あ」と言う』でしたね。
また/ɪ/の発音は『「え」寄りの「い」』なので、それを繋げたものが/aɪ(ɑɪ)/の発音になります。
音声はこちらからどうぞ。
/ɔɪ/ Turquoise ●●●
次は/ɔɪ/です。turquoise /tɝːkɔɪz/「ターコイズ」の「コイ」の部分ですね。
この二重母音の発音は長母音で出てきた/ɔ/(ここでは”ː”無し)と短母音の/ɪ/が合体しています。
/ɔ/は日本語の「お」よりもさらに大きく口を下に開いて出すんでしたね。
/ɪ/は繰り返し出てきますが『「え」寄りの「い」』なので、それを素早く滑らかに発音すれば/ɔɪ/が完成です。
ちなみにおさらいになりますが、ターコイズの最初の「ター」の部分は長母音のところで見たpurple /pɝːpəl/「紫」の発音と同じですね。
忘れてしまった人は一旦スクロールバックして確認しましょう。
音声はこちらからどうぞ。
/oʊ/ Gold ●●●
残すところあと2つです。頑張りましょう。
次の二重母音/oʊ/はgold /ɡoʊld/「金」でいきましょう。
発音は/o/から始まり、そこから口をすぼめながら「短母音の/ʊ/(若干口が開いた「う」)」が出せればOKです。
ここで「え?、/o/なんてこれまで出てきたっけ?」と思った人、観察力良すぎて引きます笑
実はこの/o/に関してはこれまで短母音、長母音どちらでも登場していなくて二重母音限定の音になりますが、基本的には日本語の「お」と同じ発音なので怒らないでください。なので、
「お」+「う」よりも若干口が開いた「う」がこの/oʊ/の発音になります。
またイギリス発音ではこの二重母音は/əʊ/と発音されます。
アメリカ英語とイギリス英語の発音の大きな違いの一つですね。
例えばオックスフォード辞典などイギリスの会社・団体が出版した辞書だとこの/əʊ/がメインで載っている場合もあるので、その場合は「アメリカ英語だと/oʊ/になる」と脳内変換してくださいね。
またこれもカタカナ英語にありがちなんですが、この/oʊ/はカタカナにするとたいてい「オー」と表記されてしまいますが、実際の発音は「オゥ」になります。
なので「ゴールド」ではなく「ゴゥルド」が正解ですね。
この「オー」が「オゥ」に直るだけでもだいぶ日本人英語の発音の印象が変わります。
これから意識して他の人と差をつけちゃいましょう。
音声はこちらからどうぞ。
/aʊ/ Brown ●●●
さあ、いよいよ最後ですね。
最後はbrown /braʊn/「茶色」になります。
/aʊ/の発音はこれまた辞書によっては/ɑʊ/と表記される場合もありますがその発音はご察しの通り、
/a(ɑ)/:「あ」よりも大きく口を開けて舌を少し引っ込めた状態で「あ」
/ʊ/:「う」よりも若干口が開いた「う」で完成です。
音声はこちらからどうぞ。
アメリカ英語の母音まとめ
ふう…お疲れ様でした。
最後にここまで見てきた短母音、長母音、二重母音全てをもう一度確認しておきましょう。
<短母音>
/ɪ/ pink /pɪŋk/
/e/ red /red/
/æ/ black /blæk/
/ʌ/ mustard /mʌstɚd/
/ɑ/ chocolate /tʃɑklət/
/ʊ/ rosewood /roʊzwʊd/
/ə/ magenta /mədʒentə/
<長母音>
/iː/ green /ɡriːn/
/ɝː/ purple /pɝːpəl/
/ɔː/ orange /ɔːrɪndʒ/
/uː/ blue /bluː/
<二重母音>
/eɪ/ gray /ɡreɪ/
/aɪ/ white /waɪt/
/ɔɪ/ turquoise /tɝːkɔɪz/
/oʊ/ gold /ɡoʊld/
/aʊ/ brown /braʊn/
最初に言いましたが、これら16個の母音の正しい発音の仕方を身につけることは絶対に必要不可欠です。
何事においても「基礎が大事」と言われますけど、英語の発音においてはこの母音の発音を覚えることが「ド基礎」なので、大変なのはわかりますが、ここは一緒に乗り越えていきましょう。
というか、この母音16個の発音がしっかりと身に付いたら、もう正直英語の発音は9割クリアしたようなものです。
ええ、あと残りの1割は「子音」の発音の細かいところなので、そこを突き詰めていけば必ずネイティブに引けを取らない綺麗な発音になります。
なのでまずは今回の「色を使った母音の覚え方」を何度も復習しながらしっかりマスターしてください。
そしてその後、下の「子音の発音解説完全版」記事で子音の発音を極めていきましょう(さらにテクニカルな母音の発音解説完全版もぜひ読んでみてください)
関連記事
日本人の僕が完璧な英語母音の発音習得方法を教えます【完全版】ネイティブの子音の発音の極め方
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ということで今日はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!