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ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.5「GLC編」

アメリカのラップミュージックを聴き始めてもうかれこれ20年くらいになる。

昔のものからわりと最近のものまでいろいろ聴いているが、いまだにストレートで強烈なメッセージやユニークでウィットに富んだリリック(歌詞)を見つける度に1人でニヤリとしたり、何度も頷いたりしている。

このシリーズでは、普段ラップをあまり聞かない人がラップミュージックの魅力に気づいてくれたり、また自分のようにラップのリリックから英語に興味を持ってくれる人がいたら嬉しい、という思いから、ヒップホップ界のレジェンドや、今アツいアーティストたちのリリックの中から、「これはやられたっ!」と思わず唸ってしまうようなエッジが効いてオリジナリティが溢れるパンチラインを紹介していこうと思う。

それじゃ、早速今日のエントリ―を見ていこう―――。

今日の名曲パンチライン

“Apply yourself, to supply your wealth. Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself”

-GLC, “Poe Man’s Dreams” (2011)

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パンチライン徹底解説

今日のポイント
  • “‘those”の用法

今回のパンチラインは2011年にリリースされたKendrick LamarというLos AngelesはCompton出身のラッパーの“Section 80”というアルバムの“Poe Man’s Dreams”という曲の1フレーズからです。比較的新しい曲ですね。

そしてこのパンチライン自体は、曲のアウトロ部分でGLCというChicago出身のラッパーが言っているフレーズです。

豆知識

ちなみにGLCは”Gangsta Legendary Crisis”の略で、本名はLeonard D. Harrisというそう。

今日はこのパンチラインを、

  1. “Apply yourself, to supply your wealth”
  2. “Only limitations you’ll ever have”
  3. “are those that you place upon yourself”

の3つのパートに分けてそれぞれ細かく見ていきましょう。

“Apply yourself, to supply your wealth”

“Apply oneself”で「~に専念する」という意味になるので、ここではあなた(聞き手)に「専念しろ」と言っています。

何に専念するのかというと、その後の “to~”で説明しています。

“to+動詞の原形”で「~するために」という表現はきっと聞いたことがあると思います。ここでは直後に“supply”「供給する」という動詞の原形がきているため「供給するために」となるんですね。

そして何を供給するかというのはその後の“your wealth”「あなたの富/財産」なので、ここ全体で「富を供給するためには専念しろ」という感じです。

MEMO

ちなみに、ここで言う「富」とは「金銭的な富」と、「精神的に富むこと」の両方のことを言っていると解釈することができるでしょう。

“Only limitations you’ll ever have”

次は2つめのパートを見てみましょう。

“only”は「唯一の」でいいですね。“limitations”というのは「限界/制限」のこと。どんな限界かというのが直後の“you’ll ever have”で説明されていますが、“ever”というのは「強調」の目的で入っています。なので、”ever”抜きで考えてみると、”you’ll (you will) have”で、意味は未来を表す“will”が使われているので「あなたが持つだろう」というニュアンスになります。

ここまでで、「あなたが持つだろう唯一の限界」です。

“are those that you place upon yourself”

そして最後の部分ですが、”those”というのは「それら」という意味ですね。

どこからいきなり「それら」が飛び込んで来たんだ、と思うかもしれませんが、実はこの”those”は前のパートで出て来た“limitations”を置き換えているんです。

なので、”those”の部分を”limitations”と置き換えても全く同じ意味になりますが、英語というのは同じ単語を繰り返し使うことを避ける傾向にあります。そのためここでは”limitations”という「複数形の単語」を「“that”の複数形である”those”」で置き換えているんですね。

CHECK!

“those”の用法

  • “those”は前に述べられた複数形名詞の反復を避けるための代名詞として使われることもある
複数形の単語には複数形の代名詞を使うんですね

“those”=”limitations”なので、じゃあどんな”limitations”なのかというのが次の”that”以降で説明されていますが、“place”は「場所」という名詞でもありますが、ここでは「置く」という動詞として使われています。”upon”は=”on”でいいでしょう。

なので、「あなたがあなた自身に置く」という意味になり、ここ全体で、「あなたがあなた自身に置く(課す)限界」という文が完成です。

まとめ

はい、そうしたら全部のパーツをくっつけてみましょう。そうすると、

  1. 「富を供給するためには専念しろ」
  2. 「あなたが持つだろう唯一の限界」
  3. 「あなたがあなた自身に課す限界」

という感じになるので、

“Apply yourself, to supply your wealth. Only limitations you’ll ever have are those that you place upon yourself”

「富を得るには自らを専念させることだ。自分の限界というのは自分自身で課しているものにすぎない」

という感じにしました。その通りですよね。

まあ要するに「自分の限界を自分で決めるな。その気になれば何だってできる」というポジティブなメッセージですが、GLCはこのメッセージをオリジナルの表現でかっこよくまとめています。

シンプルながらとてもかっこいいなと思ったので今回のパンチライン特集でスポットライトを当ててみました。

もちろん“supply”“apply”、そして“yourself”“your wealth”という風に最初で2つずつ韻を踏み、最後にまた“yourself”で締めくくっているところもポイントですね。

すごく説得力があってかっこいいです

曲はこちらで聞けるのでよかったらどうぞ(該当の部分は3:54辺りです)

この“Section 80”というアルバムは、Kendrick Lamarの「ミックステープアルバム」という扱いですが、1枚目のスタジオデビューアルバム“Good Kid, M. A. A. D City”や次作の“To Pimp a Butterfly”と作品を重ねるごとに彼の注目度はどんどん高まり、2014年、2015年、2016年には“Album of the Year”(その年のベストアルバムに贈られる賞)を含む数々のグラミー賞も受賞しています。

また、2016年にはタイムズ紙による、「最も影響力のある100人」にも選ばれていて、Kendrick Lamarは間違いなく今最もアツいラッパーの一人と言えるでしょう。

そんな彼のアルバムは僕ももちろん全て持っていてめちゃくちゃかっこいいので、これを機にラップに興味を持った人や、僕のように「洋楽から日常で使える表現を学びたい!」と思った人は是非チェックしてみてくださいね。

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はい。ということで、今回の「ラップ名曲パンチラインに学ぶ英語特集」はいかがだったでしょうか?これからも素晴らしきラップミュージックの魅力をお届けすると共に、あなたの英語学習の助けになれれば光栄です。

前のエピソードや次のエピソードも気になる!という方はそれぞれこちらからどうぞ。

<前のエピソード>

ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.4「Big L編」

<次のエピソード>

ラップ名曲パンチラインの意味に学ぶ英語vol.6「OutKast編」

また、第1回から見てみたい!という方がいましたらこちらからチェックしてみてください。 

それではまた!